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「その、えと……。
もし、もしだよ?
中村君さえ良ければ、い……一緒に帰らない?」
「え」
まじかよ。
どこぞのラブコメだよ、これ。
森下が俺と一緒に……?
奴の口から飛び出した、夢のような――いや、突飛な言葉に、俺は思わず頓狂な声を漏らす。
「あ、や、やっぱ迷惑だよね……。
ごめんね!! じゃ、じゃあ……」
「おい、待てよ」
一人で勝手に勘違いして帰ろうとする森下を、俺は咄嗟に呼び止める。
「誰も迷惑だなんて言ってねぇだろ。
むしろ……いや、何でもねぇ」
顔が熱くなるのが、自分でも分かった。
きっと、今の俺は茹でダコになっているに違いない。
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