第1話 森下という奴

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「本当!? やった!! ありがとう!!」 「お、おう……」 今にも飛び跳ねそうな勢いで喜ぶ森下。 ――満面の笑みってこういうものを言うんだな……。 なんて思わせるほど、奴の笑顔は魅力的だった。 「じゃ、帰るか」 「うん!!」 大きく頷くと同時に、鞄を背負いなおす小さな手。 ――もし、俺が奴と付き合えたなら、あの手を握ることが出来るのだろうか? そんな柄にもない考えを頭から振り払いながら、俺は森下の隣に並んだ。
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