第1話 森下という奴
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「はぁ……」 自分の知らない自分の気持ちに、俺は二度目の溜め息をつく。 「メアド……聞いておけば良かったな……」 そんな呟きも、もう後の祭りだ。 ――明日……。明日、絶対に聞こう。 心の中で明日の自分に誓って、俺は家への歩を速めた。 さっきまでの俺達は、知らない奴から見たらカップルに見えたんじゃね? なんて馬鹿馬鹿しいことを、頭の片隅に浮かべながら。
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