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「いってきます」
時刻は6時45分。
いつもは7時に家を出る俺には、15分早い。
なぜかって?
そりゃあ――
「森下、遅ぇなぁ……」
奴と学校に行くためだ。
別に約束などしていないけれど。
俺は、昨日森下と別れた分かれ道のブロック塀に寄りかかり、ケータイを取り出す。
――いわゆる、待ち伏せというやつだ。
しかし、奴は待っても待っても姿を現さず――
「……」
時計は、気付けば8時15分を指していた。
HRは8時30分から。
あと15分しかない。
「ちっ……」
誰に対するわけでもない、格好付けのための舌打ちを一つ鳴らしてから、
ケータイを鞄にしまい、俺は学校に向かって全速力でダッシュした。
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