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「っ……はぁ…はぁ……」
「中村君、遅刻ギリギリよ」
「す、すみま……せ…ん」
あれだけ走っても、教室に入ったのは結局8時28分……。
HRギリギリだ。
「起立、礼。着席」
それなのに、俺の前の席はまだ空っぽで、二つ前の石山の背中が見えるだけだ。
決して体格がいいというわけではない彼の背中も、森下の華奢な背中と比べると随分と大きく見え、
その事実が、さらに俺の不安を掻き立てる。
――もしかしたら、寝坊とか……。それなら、まだいい。
でも、交通事故に巻き込まれていたら……!!
そんな突拍子もない考えが、頭の中をぐるぐると回る。
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