第1話 森下という奴

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「よし、出席確認するね!!」 ざわざわした教室が、ハキハキとした担任の一言で静まり返る。 まさに鶴の一声の如し。 「えーと、今日は風邪で森下里奈さんがお休みです」 ――……まじかよ。 朝の一連の苦労を思い出し、身体がどっと脱力感に襲われた。 「ということで誰か森下さんにプリント届けに行ってくれる人ー。 って言ってもまだ入学して二日目だし、そんな子いるわけな……」 「先生、俺が行きます」 「そうよね、やっぱいないわよね…………え!? 中村君、今なんて……」 「プリント、俺が届けに行きます」
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