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抜けるような青空
きらきらと輝く太陽。
無限に広がる草原に立ち
遠くを見つめる君。
ときおり吹く風が
君の長い髪を優しく撫でた。
どこからともなく飛んできた
小さな綿毛を手に取りほほえむ。
ゆっくりと僕に歩みより手を差し出す。
『 蒼ちゃん 向こうまで走ろ?
風がこんなにもきもちいんだもの。』
そういってほほえんだ君に
僕は見惚れていた。
気がつけば君は走り出していて
その姿は小さかった。
『なにしてるのー?
はーやーくぅーー!!!』
僕は急いで駆け出した。
大切な"彼女"を見失わないように。
「い、いまいくよ!」
懸命に走って追いつくと
君は忍び笑いもらしながら尋ねてきた。
『…まったく何してたのよ?(笑)
ぼーっとしちゃって。ふりかえったら
いないんだもん、びっくりしちゃった。』
そんな無邪気な笑顔に
またしてもやられた僕。
答えるまでに間があったものの、
その答えはすんなりと出てきた。
「 ――― が綺麗だったから…つい。」
しっかりと君の瞳を見つめて答えた。
君は僕の方をみたまま固まった。
やがて肩を小刻みに震わせ…
『…え?え?えぇええーーー!!??』
顔を真っ赤にさせていう君を見て、
僕ははたと気がついた。
自分のいった言葉の意味にーー。
「…っは/////////////////」
僕は恥ずかしさのあまり
駆け出していた。
『そっちはいっちゃ―――――――――』
(遠くで声が聞こえる。)
『おい!!!』
(なんだろう?視界が揺れる。)
男『おい、しっかりりしろよ!!目ぇ覚せぇえ!!!!』
薄目をあけると、どんよりと曇った空。
そして、僕の知らない人…。
(そうか、誰かが僕を揺さぶっているんだ。
何を……言っているんだろう?)
男『おい!…?気がついたのか?』
男は僕のまぶたが僅かにひらいていることに
気づいたのか、揺するのをやめた。
視界が安定するとぼんやりはしているが
男の顔がよく見れた。
やっぱり知らない人…。でも…
どうしてだろう?懐かしい香りがした。
何やら男が話しかけてきていたが
不思議な安堵感じに包まれ
僕は戻りかけていた意識を手放した。
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