第一話-過去-

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目を覚ますと、そこは白。 それと薬品の匂い。 病院…と呟くとやけに喉が乾いていて、ゆっくりと起き上がる 傍らに置いてあった飲料水の蓋を緩めると、ゆっくりと飲んだ。 「お嬢様…?」 聞き慣れた声と共に視界に赤毛。 小鳥遊悠太。私の専属執事だ。 『悠太…、あれから…?』 私は妹_____香夜に刺されたことくらいしか記憶にない。 刺された後がとても気になる。 「あ、あの後、俺と茉里で香夜様を、お爺様と和羽様で香凜様を抑えました。」 茉里。柚子島茉里 私の専属メイド。 小鳥遊家と柚子島家は代々篠津綺家に仕えるらしく、悠太のお爺様の那由多さんと茉里のお婆様の和羽さんは、私のお祖母様の専属だった だった、というのは私のお祖母様が亡くなったから。 ずっとお祖母様が仕切っていたから、次期当主は誰だと騒いだ。 だが、お祖母様の遺言で次期当主は私だということになった。 遺言よりも前から当主になれ、と言われていたが、私なんかより妹の香夜のほうがやる気があった。 でも、 香夜は鍛錬をしなかった。 それどころか、香夜はお祖母様が嫌いだった。 お祖母様も、香夜が嫌いだった。 鍛錬をせず、メイクをしている香夜が好かなかった。 私も香夜が嫌い。 だからか、当主に選ばれた私は、分家たちの人から祝杯をあげられた。 そこで、 そこで私は香夜に刺された。
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