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目を覚ますと、そこは白。
それと薬品の匂い。
病院…と呟くとやけに喉が乾いていて、ゆっくりと起き上がる
傍らに置いてあった飲料水の蓋を緩めると、ゆっくりと飲んだ。
「お嬢様…?」
聞き慣れた声と共に視界に赤毛。
小鳥遊悠太。私の専属執事だ。
『悠太…、あれから…?』
私は妹_____香夜に刺されたことくらいしか記憶にない。
刺された後がとても気になる。
「あ、あの後、俺と茉里で香夜様を、お爺様と和羽様で香凜様を抑えました。」
茉里。柚子島茉里
私の専属メイド。
小鳥遊家と柚子島家は代々篠津綺家に仕えるらしく、悠太のお爺様の那由多さんと茉里のお婆様の和羽さんは、私のお祖母様の専属だった
だった、というのは私のお祖母様が亡くなったから。
ずっとお祖母様が仕切っていたから、次期当主は誰だと騒いだ。
だが、お祖母様の遺言で次期当主は私だということになった。
遺言よりも前から当主になれ、と言われていたが、私なんかより妹の香夜のほうがやる気があった。
でも、
香夜は鍛錬をしなかった。
それどころか、香夜はお祖母様が嫌いだった。
お祖母様も、香夜が嫌いだった。
鍛錬をせず、メイクをしている香夜が好かなかった。
私も香夜が嫌い。
だからか、当主に選ばれた私は、分家たちの人から祝杯をあげられた。
そこで、
そこで私は香夜に刺された。
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