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俺の名前は荒川一二三(あらかわひふみ)。
碧入(あおいり)高校に通う、1年1組の高校生。
そして、もう1つの顔を持つ。
俺は学校のバックのチャックを開けた。
その中には教材と共に黒い『ガスマスク』が入っている。
「ふっ」
俺はニヤついた。
これは命よりも大切な物だ。
ってか、早く学校に行かないとっ! 遅刻しちゃうっ!
チャックを閉めると、俺は走った。
ここの角を曲がり、もう1つの角を曲がれば学校だっ!
「止めてくださいっ!」
ん? 聞き覚えのある女性の声がした。角を曲がった。
「あっ!」
その道の右側には男性3人が俺と同じクラスの女子高校生、後藤香里奈(ごとうかりな)を囲んでいた。結構可愛い。
「おい、嬢ちゃん。これから俺達と遊ばなーい?」
デブの男性が聞いた。
「少しだけでいいんだよ」
長身の男性が言った。
「楽しいよ」
サングラスをかけた男性が言った。
「嫌です。それとこれから学校行かなきゃ……」
香里奈ちゃんが俯きながら言った。困っているようだ。
「えっ? 俺達に逆らうの?」
サングラスの男性が低い声で言った。
これはまずいっ!
俺はバックのチャックを開けた。そして、『ガスマスク』を取り出した。
「よし」
俺はそれを被った。
「行くか」
俺はバックを置くと、4人の前に飛び出した。
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