プロローグ

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 肌を切られるような冷たい風に頬の温度を奪われながら、眼前の風景を眺めた。  こちらにケツを向けてエプロンに待機した何十機ものC-17SCSFが並ぶさまは壮観の一言に尽きる。  ずんぐりとしたグレーの機体には赤いラインが二本引かれ、尾翼には識別番号の上に黒で描かれた、トナカイのシルエットを模した部隊マーク。  これらがおれ達の専用機である証だ。  ちらと見遣った傍らのスキッパー、通称ルドルフは他の機体と識別できるよう、マークの鼻は赤い。  今回は穏便に済むといいが……。 ********* スキッパー……部隊長が指定して乗る機体。
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