0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
俺はかっこいい。
そんな思いをもって自信をもって、俺はここへ転校してきたのである。
「はい、朝槻(あさつき)くんどうぞー」
担任の声にならい、俺は教室へと入る。
もちろん、どや顔でな。
「はい。えー、朝槻才人(あさつきさいと)です。よろしくお願いしますー」
「はいよろしくー朝槻くん」
先生が笑顔みたいな顔でそう言ってくれた。
「俺はどこへ」
「ああ、そこ。」
え、教卓の前ですか。真ん前ですか。
「本当にここですか?ほら、すみっことか~」
「すみっこはあいつらが譲らないから無理なんだ。」
すみっこを譲らないやつがいるのか?
俺はそいつらを探す。
そこには同じ顔があった。じと目が俺をみた。
「ああ、いいんですよ。まさかの真ん前だと思わなかったもので。ほら、漫画とかじゃ・・・」
「まあまあ、座れよ」
俺は情けなくも教師に促されて座った。
さて、お隣は・・・女の子だ!
よかったなかっこいい俺が隣で(にこっ)
俺がこっちを見ているのにその子はずっと本を読んでいる。
まさか、俺の紹介も見てなかったのか?
それにしても黒髪のショートヘアがきれいすぎる。
「ちょっと、お嬢さん」
「ねえ、ちょっと」
なかなか反応しない。
「なあ~」
彼女は本を置いた。
顔が怒っているように見える。やばい。
「あーもうなれなれしいやつだなーてか誰だよ。」
と思ったら、に、にこにこしていた。(ある意味こわい)
しかもやっぱり聞いてなかったみたい。
「さっき・・・」
「え?紹介してたん?ごめん視界は活字しか見てなかったわ~」
やっぱり。
それより俺のかっこいい姿がわからないのか。
「おい顔だけはいいブス。俺らのボスになれなれしくすんなよ」
いきなり後ろから声が聞こえた。
「ブスってだれ」
「お前だよ朝槻」
「あ」
そこにいたのはすみっこの主である双子だった。
「ボスって」
「私だけど。」
隣の女の子がボス?まあどや顔は完璧だけども。
「なぜにボス」
「「なぜってレイチェルの創始者だから」」
怖いよ君たちそんな声揃えて。
てかレイチェルってなんだよ。ネーミングセンス・・・。
「おいおい、こいつはレイチェルしらないんだぞツイン。」
「「あ、そうだった」」
「まあ、私がおしえて差し上げるよ、ボク♪」
俺の新しい学校生活は、彼らから始まるようだ。
俺は、面白そうだな、と少し感じた。
最初のコメントを投稿しよう!