第1話 転校生 朝槻才人

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   俺はかっこいい。 そんな思いをもって自信をもって、俺はここへ転校してきたのである。 「はい、朝槻(あさつき)くんどうぞー」 担任の声にならい、俺は教室へと入る。 もちろん、どや顔でな。 「はい。えー、朝槻才人(あさつきさいと)です。よろしくお願いしますー」 「はいよろしくー朝槻くん」 先生が笑顔みたいな顔でそう言ってくれた。 「俺はどこへ」 「ああ、そこ。」 え、教卓の前ですか。真ん前ですか。 「本当にここですか?ほら、すみっことか~」 「すみっこはあいつらが譲らないから無理なんだ。」 すみっこを譲らないやつがいるのか? 俺はそいつらを探す。 そこには同じ顔があった。じと目が俺をみた。 「ああ、いいんですよ。まさかの真ん前だと思わなかったもので。ほら、漫画とかじゃ・・・」 「まあまあ、座れよ」 俺は情けなくも教師に促されて座った。 さて、お隣は・・・女の子だ! よかったなかっこいい俺が隣で(にこっ) 俺がこっちを見ているのにその子はずっと本を読んでいる。 まさか、俺の紹介も見てなかったのか? それにしても黒髪のショートヘアがきれいすぎる。 「ちょっと、お嬢さん」 「ねえ、ちょっと」 なかなか反応しない。 「なあ~」 彼女は本を置いた。 顔が怒っているように見える。やばい。 「あーもうなれなれしいやつだなーてか誰だよ。」 と思ったら、に、にこにこしていた。(ある意味こわい) しかもやっぱり聞いてなかったみたい。 「さっき・・・」 「え?紹介してたん?ごめん視界は活字しか見てなかったわ~」 やっぱり。 それより俺のかっこいい姿がわからないのか。 「おい顔だけはいいブス。俺らのボスになれなれしくすんなよ」 いきなり後ろから声が聞こえた。 「ブスってだれ」 「お前だよ朝槻」 「あ」 そこにいたのはすみっこの主である双子だった。 「ボスって」 「私だけど。」 隣の女の子がボス?まあどや顔は完璧だけども。 「なぜにボス」 「「なぜってレイチェルの創始者だから」」 怖いよ君たちそんな声揃えて。 てかレイチェルってなんだよ。ネーミングセンス・・・。 「おいおい、こいつはレイチェルしらないんだぞツイン。」 「「あ、そうだった」」 「まあ、私がおしえて差し上げるよ、ボク♪」 俺の新しい学校生活は、彼らから始まるようだ。 俺は、面白そうだな、と少し感じた。
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