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と、麗しく微笑んでいたら。
「ニコニコニコニコしてんじゃねーよナルシスト」
双子の一人が言った。
さっきからこいつは失礼な口ばかりたたく。
というかなんで俺がナルシストだと気付いたんだ。
「え、朝槻くんはナルシストなの?・・・へー」
「ま、まあ自分で言うのはおかしいけど・・・」
ボスがなんだかほくそ笑んだように見えた。
あれ、てか。
「さっき俺の自己紹介聞いてなかったんじゃなかったっけ。なんで知ってるんだ?」
「は?そんなん俺がボスに教えたからに決まってんだろアホ。」
またこいつかよ。
「秋、口が悪いよ。・・・すまないね、転校早々不愉快にさせたね」
双子のずっと黙っていた方が言う。
意外といいやつだった。なんでだ。顔は一緒なのに。
ま、決まっていることではないか。
てかこの失礼な奴は「秋」なんて名前なのか。
「こんなナルシスト、この程度でいいんだよ。」
「さてさて、君がナルシストっていうのはいい情報だ。」
「ちょっボス」
ボスが秋を遮ってごますりの手をして微笑んでいる。
変な予感がする。
「君を昼休みに案内するよ。ぜひ、君を団体に入れたい」
「団体・・・すか」
「さっきまでは入れる気なかったんだけど、ナルシストって聞いて興味がわいた。レイチェルには個性的な人間は大歓迎だからね」
「よく意味がわからないんだけど」
「昼休みにわかるさ」
ボスはそう言ってまた読書を始めた。
彼女の本はブックカバーがかかっていて何を読んでいるのかわからない。
俺がぼーっとしているとチャイムが鳴った。
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