第1話 転校生 朝槻才人

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と、麗しく微笑んでいたら。 「ニコニコニコニコしてんじゃねーよナルシスト」 双子の一人が言った。 さっきからこいつは失礼な口ばかりたたく。 というかなんで俺がナルシストだと気付いたんだ。 「え、朝槻くんはナルシストなの?・・・へー」 「ま、まあ自分で言うのはおかしいけど・・・」 ボスがなんだかほくそ笑んだように見えた。 あれ、てか。 「さっき俺の自己紹介聞いてなかったんじゃなかったっけ。なんで知ってるんだ?」 「は?そんなん俺がボスに教えたからに決まってんだろアホ。」 またこいつかよ。 「秋、口が悪いよ。・・・すまないね、転校早々不愉快にさせたね」 双子のずっと黙っていた方が言う。 意外といいやつだった。なんでだ。顔は一緒なのに。 ま、決まっていることではないか。 てかこの失礼な奴は「秋」なんて名前なのか。 「こんなナルシスト、この程度でいいんだよ。」 「さてさて、君がナルシストっていうのはいい情報だ。」 「ちょっボス」 ボスが秋を遮ってごますりの手をして微笑んでいる。 変な予感がする。 「君を昼休みに案内するよ。ぜひ、君を団体に入れたい」 「団体・・・すか」 「さっきまでは入れる気なかったんだけど、ナルシストって聞いて興味がわいた。レイチェルには個性的な人間は大歓迎だからね」 「よく意味がわからないんだけど」 「昼休みにわかるさ」 ボスはそう言ってまた読書を始めた。 彼女の本はブックカバーがかかっていて何を読んでいるのかわからない。 俺がぼーっとしているとチャイムが鳴った。
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