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そして意識は浮上した。
白い天井をぼんやりと眺めなる。
「もう人を殺さないと・・・生きられない」
ごめんなさい。
視界が涙で歪む。
「大丈夫。ここは違う世界だから」
夢を見る前に聞いた、美しい透き通る女の声。
白い髪に少しとがった耳、美しすぎる顔の女が、玲奈のとなりに座り、そっと頭を撫でた。
「ごめんね?私は雪鬼。君の寝言でわかったの。まぁ、この世界の人じゃないってことだけどね」
名前教えてくれる?
と、雪鬼は微笑み話しかける。
「私は紅玲奈。人じゃなく人形よ。恐らくだけどね」
魔力がないでしょ?
玲奈の言葉に雪鬼が眼を見開く。
しかし、すぐに優しく微笑む。
魔力がないことに気づいたのは、雪鬼が銀色の膜を纏っていたから。
玲奈にはなにもない。
ああ、それと、口調を改めなくては。
私は元々すごく口が悪いの。
「玲奈ちゃんは信じるよ。私たちはなか「しっつれいしますよー」
雪鬼の言葉を遮り、細目の男と、その部下であろう男たちが入ってきた。
少しだけ玲奈の眉間にシワが寄る。
雪鬼は嫌そうに顔が歪む。
「おやおや?お客様で?まぁ、それはいいとして、従う気になりましたかい?ああ、そちらのお嬢さんもきちんと売りますので、悪しからずー 」
その言葉で、奴隷商であることが分かった。
そして、売ると言う言葉に、反応した者が一人。
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