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「終わったの?」
玲奈が最後の冊子を読み終わり、お茶にしようかと思っていると、背後から雪鬼に話しかけられた。
「はい。この世界について、きちんと理解しましたよ」
そう笑いかけると、どこか寂しげに目を伏せる雪鬼。
「どうしました?」
「玲奈ちゃん、行っちゃうんでしょ?」
そんなことを考えていたのか・・・と、玲奈はため息をつきたくなる。
「ええ、ここを出ていきます」
そう告げると、雪鬼の瞳から雫が次々とこぼれていく。
「やっぱ「ですが!私は雪鬼を置いていくといいましたか?雪鬼も一緒に行くんですよ?」へ・・・?」
「最初から決めていました。まあ、行きたくないなら別なのですが」
「いくっ!!あ、でも・・・私がついてくと、いろんな人に狙われちゃう・・・」
輝いた瞳がまた曇ってしまう。
だがしかし、玲奈が何も考えていないはずがない。
「雪鬼?私と血の契約をしませんか?」
血の契約は一般的には知られていない。
禁忌とされている、とても危険な契約だから。
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