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「いいの?玲奈ちゃん、死んじゃうかもしれないんだよ?」
「大丈夫ですよ?私は死なないのですから。それに、愛しすぎると、殺してしまいそうなので・・・・」
血の契約での契約者の死は使い魔となったものの死でもある。逆もしかり。
そして、それぞれの種族が、満足するまで血を飲むことでもある。
「それでは・・・」
「うん・・」
二人は向き合って、同時に相手の首に口をつける。
と同時に感じた痛み。
三十秒もせずに、玲奈は唇を離し、玲奈の口が触れていた場所に契約印が表れてた。
そして気づく、雪鬼の体の変化。
かすかにしか感じていなかった首の痛みが、一瞬鋭くなり、肉の千切れる心地よい音が響いた。
その音と同時に、雪鬼は美しい鬼へと姿を変え終わっていた。
美しい。それでいて醜い。
しなやかだった体に固い筋肉がつき、二倍もの大きさになったその体。
顔は見えないが、美しいはずだ。
体が大きいだけで、筋肉がついただけでは、雪鬼の美しさに変化はないのだ。
そして何よりも、その鬼は、人間の美しさと醜さの両面を持ち合わせた、まさに
化け物
なのだから。
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