プロローグ

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闇の世界で有名な少女がいた。 彼女は人を殺すことが何よりも好きだった。 少しずつ死を意識させながら殺すことが好きだった。 そして彼女は “死ぬこと” も好きだった。 肉がちぎれ、骨が砕け、頭が空を飛ぶことを楽しんでいた。 彼女の身体は普通とは違う。 死なない。死ねない。 消せない。消えない。 彼女は人の姿(カタチ)をした化け物。 腐ることの無い身体。 死ぬことの無い身体。 食べる必要の無い身体。 排出の必要の無い身体。 それでも構造は確かに人間と同じだった。 血が廻り、エネルギーが必要な“身体” 魔力。 彼女に唯一必要なもの。 血を造り、身体を動かし、再生するために 必要なもの。 しかし、彼女には魔力がない。 造れない。 なぜなら彼女は・・・・・・・・ この世界の生き物ではないから。
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