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「さ、雪鬼?私を食べてください」
そういって雪鬼の唇に指を当てる。
唇は薄く開き、玲奈の指を誘い入れた。
バキンッ
不快な音とともに、雪鬼が咀嚼を始めた。
骨などないかのように噛み砕き飲み込む。
その姿に、玲奈に恐怖していたものが一斉に逃げだした。
数人の男を残して・・・
しばらくして肘のあたりまで食べ終わると、雪鬼は通常まで魔力が戻り意識が覚醒する。
「大丈夫!?」
「ええ。魔力は有り余っていましたので・・・しかし、このままだと町に戻れませんし・・・・」
そこで玲奈は言葉を止め、ある個所を見る。
その視線に雪鬼もすぐに気付いた。
「あの人たちの魔力でいいの?」
「ええ。あの人たちは有り余りすぎです」
その言葉に、雪鬼は立ち上がった。
が、すぐに倒れる。
「雪鬼っ!?・・・これは・・・くす・・・」
立ち上がり雪鬼に近づこうとした玲奈は、何かに気が付いたがすぐに意識を失って倒れてしまった。
「噂の鬼のハーフに、そいつと契約してる化け物ね・・・・高く売れそうだ」
現れた数人のうち一人の男が、そう呟き二人を抱えたままどこかに消えていった。
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