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寒い・・・
そう感じて眼を覚ますと、そこはまた白い世界だった。
あの場所とはくらべられないほど・・・・・・寒い。
「雪女の・・・・・山?」
玲奈には空中に文字が浮かんで見えていた。
【雪女の山。一般的に雪女と呼ばれている女のすむ山。正体は雪鬼という名の鬼のハーフ。ランクSSの二つ名氷使いの半鬼であり、姿はとても美しい。場所は王都の南部。海からの賊の侵入を阻んでいる】
どうやら、男の言っていた知識のようだった。
ああ・・・鬼がすんでるんだ・・・あ、もう無理だ・・・眠い・・
再び意識を飛ばそうとすると
「何してるの?」
透き通るような美しい女の声が聞こえた。
「見てわからない?・・・眠いの」
眠すぎて素が出ていた。
私の眼には、白い着物を着た美しい女の姿は映らない。
「死ぬよ?」
「死なない」
「ふーん・・・家来る?」
「寝れんなら」
「なら寝ていいよ。連れてくからさ」
玲奈は一再眼を開けることなく、また、女を最後まで話を聞かず、意識を手放した。
女に運ばれていく玲奈の顔は、実年齢よりも幼く、また、安心しているように見えた。
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