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そんな棗の笑顔を見て顔が熱くなるのがわかった。
棗が綺麗に笑うから。棗のせいです。
「ハハッ。れい、顔赤いぞ?
照れちゃった?可愛いぞ。」
そう私の髪がクシャクシャになるまで頭を撫でながら 私をバカにしました。
だけど今はそんな棗さえ愛しく思う。
「…そうですよ。照れちゃいましたよ。棗が綺麗な笑顔見せるから。」
今日は素直に、微笑んで言いました。
…ふふ。棗の顔が赤いです。
なんか可愛いですね。
「あれ?棗、顔赤いですよ?照れちゃいました?」
そう言うと棗の顔がもっと赤くなる。
さっきの棗の仕返しです。
「…そうだよ。照れたよ。れいが可愛く微笑むから。」
さっきまでひいていた顔の熱さがまた戻ってきました。
って。
「ははっ。」 「ふふっ。」
私達、同じ事繰り返してました。それが可笑しくて笑えてしまって。棗も笑って。それだけで嬉しくて。それでもっと喜んでほしくて…。
明日は記念日。付き合って1年の。
「…明日も買い物付き合ってくれますか?明日は久々に<女>でいこうと思います。」
「え?大丈夫か?いいのか?」
棗が戸惑いがちに問う。
「はい」
そんな棗に対して満面の笑みで返す。
「なら楽しみにしてる」
再び八重歯を見せて笑う。
「れい。大好きだぞー。」
そういうと私をギュッと抱き締めて、そして
「キスしていいか?」
「ふふ。聞かなくてもいいですよ」
私の言葉に返事することなく棗の唇は私の唇に優しく触れた。
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