悪魔姫

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……で?わかったけど、それがどしましたか?あいっかわらずの現文クオリティだな。 心中文句タラタラ。こちらに押し付けられる自己主張ーー論文ほどに理解できないものはない。 とりあえず、作者が強調したいんだなと感じられる文の前、転換点の部分にペンタブで線を引いた。主語と主題と流れに気をつけて、慎重に問題文と設問との参照を進める。 ~のだ、~ではあるまいか。 とても生きて行くには必要なさそうな、内容には深く触れない。こういう問題にはそれなりの解き方がある。そもそも、理解自体ストレスなので。 彼女は解答ボタンを、押した。すると画面が切り替わって、正解した問題の上にに赤マルがついている。全ての設問を解き終えることで、答えを教師アプリからダウンロードする機能が解放され、ダウンロードしたそのデータを生徒アプリが自動参照。答え合わせを行ってくれた。 ーーほうらね、満点。 隣に座る、一人の女子を加代子は見た。すると、目があった。緑の『SHARE』搭載眼鏡をかけたその子は、加代子にニヤッと笑いかけて自分のタブレットを見せてきて朗らかに言った。 「あはっ、私は六問中二問外れ。やっぱカヨちゃんはすごいや」 「シリウスが馬鹿なだけだと思う。多分」 「そだねー」「認めちゃうのね……」 また笑う、峯野青星(ミネノシリウス)。シリウスはあだ名でなく本名である。 加代子は、幼馴染である彼女の家に何度か訪れ、親御さんにも何回もあっているが、よくもまあ、こんなにいい子があんな親から生まれてきたもんだと逆に感心せざるを得なかったものだ。 シリウスという女の子はどこかぼうっとしていて、変だから、いつも一人だ。話し相手はいるのだろうけど、固定してつるむ相手といえば加代子くらいしかいない。 加代子は思う。シリウスは本当にいいやつだ。シリウスをバカにしても気にしないし、彼女自身は人のことをそんなにバカにしない。友人関係を保つ為にシリウスを嘲る話を加代子がしているとシリウス自身が知っているが、それを咎めようとはしない。いいよ、別に。そう言うのだ。加代子が美人で完璧超人なのにも、一度も嫉妬心を醸し出す発言をしたことは無い。 うん。やっぱりいいやつだ。 加代子に限り、時に、シリウスから性格悪すぎと指摘されることもあるが、悪意は無く、慣れた関係だ。性格の悪くないカヨちゃんは、気持ちが悪いとのこと。
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