1章 色の無かった日々

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雲が覆っている空の下、桜の花びらが風に吹かれて舞い降りている。 花びらで埋め尽くされている道を通り、少年は足音をたてながら歩いていた。 行き先は高校である。 その高校に入学し1週間以上経つが、新しい友達は出来ず、部活にも入っていない。 中学時代の友人も別の高校に散らばっていき、ほぼ孤独な高校生活を送っていた。 (なんか楽しい事無いかなぁ…) と、ぼんやり思っているといきなり後ろからカバンが頭に直撃した。 「………ってぇ」 暫くの間、痛みにより頭を押さえていながらもなんとか振り向く。 そこには、隼人と同じ高校の制服に身を包んだショートカットの女子高生が立っていた。
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