第1話

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「愛美?」 信条先輩の姿に気づいていないゆきちゃんの声。 眠っているのか、目をつむって靴箱にもたれかかっている彼に目を奪われる。 信条 先輩だ。 この人 人の目惹くの得意だなぁ トクン、と心臓が高鳴る音がする フワリと風が吹く度になびく彼の茶色い髪。 触れて みたいなぁ そう思いながら少しずつ近づいてしまう私。 ちょっと だけ コクリと頷いて彼の髪に手を伸ばす。 でも あれ 腕 掴まれてる 「愛美…ちゃん」 どうしよう やっぱり だめだったのかなぁ 気が付いた時には、 彼のあの茶色い瞳に吸い込まれそうになっていた。 「櫻 愛美ちゃん」
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