第1話

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そう、今は調理実習の真中です。 ほんとは エビフライの練習、 こっそりしたんだけどなぁ… 「ほら愛美は保健室行く!早く先生に包帯巻いてもらってきな」 ゆきちゃん、相変わらずやさしいなぁ ほとんど怒りっつらで、周りからは怖い人って思われがちだけど わたしのこと大切に思ってくれてる。 「ありがとう、ゆきちゃん」 いつも通りコクンと頷いて、保健室に向かう。 「失礼します、2年3組の櫻 愛美です。」 ガラッとドアを開けて先生を呼ぶ。 だけど あれ 先生いない いつも先生が座っている椅子には白衣が掛けられている。 数メートル向こうにある開きっぱなしの棚の上にある包帯。 自分でとるしか ないなぁ。 自分の身長より少し高い棚に手を伸ばした私。 でも、 届かない。 ゆきちゃん 呼ぼう 背の高いゆきちゃんなら取れるはずだ。 そう思い一人頷きながら歩く。 「お探しものはこれですか?お嬢さん」
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