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「~となる。以上で今日の授業を終わります。起立、礼」
「なぁ!今日家でゲームしねぇ?」
「お、いいね!んじゃ帰るけ~!」
ざわざわと聞こえてくるクラスメイトの声。
私も 帰ろうかなあ
「愛美~!帰るよ~!」
ゆきちゃん 帰る時だけ忙しそうだなぁ
そんな事を思いながら聞こえてくるゆきちゃんの声に頷く。
「愛美さ~!そろそろ彼氏つくりなよ~?あんたの端正な顔立ちが台無しじゃない」
男が苦手だからっていつまでも避けて通れないよ、と言って私の顔をジロリと見るゆきちゃん。
「ん~、何人もの告白を愛美の守り人とも言われるあたしが代わりに断ってきてるけどさ~!あんた可愛すぎるからきりがないんだよね~」
ゆきちゃん 声大きいなぁ
ここ 一応廊下なんだけどなぁ
ごめんね ゆきちゃん
私はもう あんな想い
嫌だなぁ
心の中でゆきちゃんに謝りながらフリフリと首を横に降る。
そんな話をしながらゆきちゃんと並んで歩く中
あれ あの人
色素の薄い茶色い髪の毛に、綺麗な顔立ち。
そして相変わらず、
悲しそうな 目。
誰かを待っているらしい彼に目を奪われる。
信条 先輩だ。
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