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3人は、端にある部屋へ行ってボタンを押した。
「ハイハイ」
若そうな男の声が、してドアが開く。
◆ ◆ ◆
出て来た健一は、目の前にある大きな胸に、目が吸い寄せられていた。
それから、ゆっくり目線を上げて行った。
柳子が、話し出すと、やっと男が柳子の真っ赤な髪と、深い緑の瞳を見上げた。
「はじめまして、今度越して来ました。 ウチの田仲義って奴と、仲良くしたって。
ウチはこいつのツレの柳子ですけん。よろしくな!」と、やけに馴れ馴れしい口調で挨拶した。
すると、サングラスをした大柄な(2人の巨人は別として)人がヘルメットを配ってきて言った。
「ご挨拶が遅くなりましてすいません。私はこいつの夫で、田仲正義です。引越しのご挨拶に伺いました。 コレ引越しの手土産です」
ヘルメットを差し出す男を、恐る恐る見上げ様として、再び固まった。
言葉こそ丁寧だが、見た目は、口に加えた葉巻といいツルツルの頭といい、ヤクザそのものだった。
唖然としている僕に、上の方からかわいい声が掛けられた。
「よろしくね!」
僕はキョロキョロと、辺りを見回した。
「ここだよ」2メートルはあろうかと云うマッチョの肩から、小さな女の子が手を振っていた。
(俺大丈夫か?)
いまいち、自信がない健一だった。
◆ ◆ ◆
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