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「ふぅ……
ごめんね小百合。まだ言えてない事あったんだけど、これは隠しておいたほうがいいからさ」
課長がトイレで席を立った後、自分も化粧直しといい、課長の後を追った。
会計で支払いをし、店を出る課長を見つけ、
「課長!」
驚いた顔でこちらを見てくる。
「堤さん…悪いけど、今日は抜けさせてもらうよ」
悪いけどって言う割には、申し訳ない顔はしてないよね…
「あのっ、小百合のとこに行くんですか?」
「…そうだと言ったら?」
小百合の名前出した途端、顔つきが変わった…?もしかして…
「課長。小百合の事、他の女の子みたいな感覚で近寄るなら止めてもらえませんか?
小百合の噂、耳に入ってますよね?」
小百合は知らないだろうけど、あの子はスッピンでもカナリ美人だし、独特のオーラがあって男性達は必ずと言っていいほど近寄ってくる。
外見しか見ずに近寄ってくる男達に、私は釘を刺してきた。
今までの男達はそれだけで諦めて何もしてこなくなる…
そんな軽い気持ちの男に、小百合を任せる事はできない。
今となっちゃ、『女の子が好き』って噂で私の出番はあんまりないんだけどさ…
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