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その頃、新人だった美鈴さんに今日デートだと伝えると、
「綺麗にして、ビックリさせちゃお!」
美鈴さんは道具や化粧品を出し、私の顔にメイクをしていく。
小さい頃、お祭りの時に特別に口紅を塗ってもらったことしかない私には、嬉し恥ずかしい体験で、ドキドキしっぱなしだった…
彼とのデートの帰り道。
彼は私の方を向き、顔を近づけてきて…
咄嗟に顔を背けた。
「キス…しちゃダメ?」
目と目が合い、
「そういう訳じゃないけど…」
嫌とかではなく、自分の中で決めていたことがあった。
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