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課長の手が塞がっているので、私が玄関の鍵とドアを開けることに…
課長は靴を脱ぎ、何も言わずに中に入ってしまった。
私は紙袋とキーケースを玄関に置き、
「課長、私、帰り…」
「小百合ちゃん、上がって!」
はっ!?
上がらなきゃダメなんですか…
課長は玄関に来る気配もないし、このままって訳にもいかず…渋々、ドアを閉め、
「お邪魔します…」
小声で言う。
部屋に入ると黒と白のシンプルなリビングがあった。
テレビとダイニングテーブルがあるだけで、後は何も無い。
「小百合ちゃん、お茶入れたいんだけど…どうやって入れたらいい?」
課長はキッチンで、今日買った煎茶を入れてくれるらしいが、入れ方がわからないらしく、困った顔をしている。
仕方なくキッチンに行き、
「私が入れます。座ってて下さい」
お湯を沸かし、今日買った百合の急須にお茶の葉を入れ、準備をする。
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