~4章~

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「このマグカップ…」 そこにはペアのマグカップが置かれ、私の前にはピンク色のカップがあった。 「小百合ちゃん、水色が好きって言ってたけど、そのマグカップがあまりにも可愛いから、それにしちゃった」 顔がまともに見れない… 不覚にもまた、ドキっとしてしまった… 食事が終わり、課長に送ってもらった。 帰宅してすぐ、仕事用の鞄からノートを取り出し、今日礼拝堂で思いついた企画を書きだす。 ピリリ… 携帯を開くと、課長からメールが届いていた。 『今日はありがとう。 小百合ちゃんと一緒の時間を過ごせて嬉しかった。おやすみ』 「はぁ…」 今日1日、課長と過ごして買い物したり、家に行ったり、腕掴まれたり… 今までの私では考えられない行動だよね… いけない、いけない。 首を横に振り、余計な気持ちを捨て、ノートに目を向ける。 この時の私には、閉ざされた自分の心を開く勇気などなかった… .
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