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課長の真剣な目から逃げるように空を見上げる。
「小百合ちゃん…今は淋しくない?」
その言葉に驚き、せっかく課長の真剣な目から逃げたのに、逆戻りする。
「…淋しいって感情は、あまり無いんだと思います。
私は今の生活が普通で…そんな感情は必要ないですから…」
これ以上、ここに居ると…
違う…課長といると…
心の中を見抜かれそう…
お弁当箱を片付け、部署に戻ろうとすると、
「そっか…でも、俺は小百合ちゃんが傍にいてくれないと、凄く淋しい…っていうか悲しい…辛いな」
そんな目で見ないで…
そんな事…言わないで…
「失礼します…」
課長から逃げるように、私は屋上を後にした。
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