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課長の横を通り過ぎようとしたら
ギュッ。
腕を掴まれて、身動き出来ない。
「あの…課長…」
ニコニコしながら、
「買い物ついて来てって言ったでしょ?だから帰るの駄目」
そりゃ、鍋が1つしかないと不満を言っちゃったけど、別に私と行かなくてもいいじゃない。
「誰か違う方と行かれたら…」
「小百合ちゃんしかいないの。一緒に行ってくれないなら、ずっとこのまま離さないよ」
顔は笑っているけど、眼鏡の奥の瞳は笑ってなくて…
「わかったんで…離してもらえますか…?」
スルッと離された腕に、ホッとする筈なのに、何故かズキッとして…
課長も変だけど、私も変だ…
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