~9章~

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課長の横を通り過ぎようとしたら ギュッ。 腕を掴まれて、身動き出来ない。 「あの…課長…」 ニコニコしながら、 「買い物ついて来てって言ったでしょ?だから帰るの駄目」 そりゃ、鍋が1つしかないと不満を言っちゃったけど、別に私と行かなくてもいいじゃない。 「誰か違う方と行かれたら…」 「小百合ちゃんしかいないの。一緒に行ってくれないなら、ずっとこのまま離さないよ」 顔は笑っているけど、眼鏡の奥の瞳は笑ってなくて… 「わかったんで…離してもらえますか…?」 スルッと離された腕に、ホッとする筈なのに、何故かズキッとして… 課長も変だけど、私も変だ… .
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