~9章~ #2

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課長の鼓動が、ジャケットの上からでもわかるぐらい速くて… 自分の鼓動と一体化してるような錯覚をおこす。 「小百合ちゃん…ゴメン。嫌な思いさせて…あいつらに何かされなかった?」 顔は見えないけど、きっと悲しそうな顔をしているのがわかるぐらい、切ない声… 「課長、大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」 ジャケットから顔を離し、課長を見上げる。 「ほんと、ゴメン。ここならあまり目立つ場所じゃないし、女性も多そうだからと思ったんだけど…」 そこで初めて課長がここに座らせた理由を知った。 女性に睨まれたりしたけど、課長の配慮に胸がキュッとなる。 .
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