624人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
課長の鼓動が、ジャケットの上からでもわかるぐらい速くて…
自分の鼓動と一体化してるような錯覚をおこす。
「小百合ちゃん…ゴメン。嫌な思いさせて…あいつらに何かされなかった?」
顔は見えないけど、きっと悲しそうな顔をしているのがわかるぐらい、切ない声…
「課長、大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」
ジャケットから顔を離し、課長を見上げる。
「ほんと、ゴメン。ここならあまり目立つ場所じゃないし、女性も多そうだからと思ったんだけど…」
そこで初めて課長がここに座らせた理由を知った。
女性に睨まれたりしたけど、課長の配慮に胸がキュッとなる。
.
最初のコメントを投稿しよう!