~9章~ #2

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冬なのに、課長の額にはうっすら汗が滲んでいて、走ってここまで来てくれたんだと気がつく。 「課長、これ…使って下さい」 ハンカチを差し出す。 ありがとう、と言いハンカチを受け取ったと同時に手を握られ、 「消毒しなきゃね」 消毒… さっきの男性達に握られた手を優しく包み込むように課長は握り、そのまま歩き出した。 食品売り場に到着した時には離してもらったんだけど、 課長はまだ消毒し足りない。らしい… 御飯の炊き方を教える。ということだったのでお米を買い、御飯炊くならオカズは?なんて質問したのが間違いだった… 「小百合ちゃん、作ってくれないかな~?」 なんて、横目でチラチラ見ながらしつこく言ってくる。 .
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