~10章~ #2

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「あっ…いえ、別に…」 咄嗟に返事をするけど、焦ってしまって上手く言葉が出てこない。 「そう?今の小百合ちゃんの顔、いい顔してるんだけどな~。女の顔だ」 心の中を見透かしたかのような目つきで見てくる彼の目から顔を逸らす。 「ほら、監視役さんが呼んでるみたいだよ」 周防さんがチョンチョンと指差す方を見ると麗華さんが帰るらしく、課長が会議室の出入り口でこちらを睨みつけるような目つきで見ていた。 「失礼します」 お辞儀をし、課長の元へ急ぐ。 『へぇ~。いろんな意味で、楽しい仕事になりそうだよ』 そんなことを呟かれていたなんて、知りもしなかった… .
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