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「どうしたの?」
課長の心配そうな顔を見て、咄嗟に口から出した言葉は、
「あの!お腹減ってませんか??」
これしか言えなかった。
きっと、他の女性ならハッキリ自分の意思を伝えるんだろう。
こんな経験がない私には、課長の気持ちを聞く勇気なんて…ない…
「じゃあね、小百合ちゃん」
「はい、また月曜日に」
あの後、前の日に残していた巻き寿司を食べ、2人で折り鶴を作ったり、テレビを見たりして過ごした。
課長はいないのに、部屋からは課長の残り香がフワリと香り、
「初めて男の人…泊まったんだ」
課長が泊まったという事実を実感していた。
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