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~15章~ #2
行こうか。と言われ、手を繋いだまま動物達を見ていく。
小学校の遠足以来っていうのもあり、楽しくて知らないうちに課長の手を引っ張っていた。
「お腹空いてきたね」
そういえば…お昼のこと、すっかり忘れてた。
「食事するとこあるかな…」
パンフレットを見ながら課長は独り言を言っている。
よかった。お昼食べるとこ決まってないんだ。
「あの…お弁当、作ってきたんですけど…」
目を真ん丸にしてこちらを見ていて…
「お弁当…今日の為に作ってくれたの?」
コクンと頷き、課長の肩にかけている鞄を受け取り、ベンチに作ったものを並べる。
課長はベンチを跨(また)いで座り、タッパーをじっと見つめている。
「あの…課長、お箸どうぞ。それと鞄、重たかったですよね…すみません」
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