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「百合さんが亡くなったってわかった時、初めて気がついた…
僕に病気のこと気づかれる前に去っていったんだと…
愛する人も助けられないのか、って僕が自分自身を責めることがないように考えてくれていたんだろう…
彼女は最後の最後まで、自分のことより僕の幸せを願ってくれてて…
僕は彼女の…百合さんの愛に、ずっと…包まれていたんだ…
その深い愛を僕は娘である小百合ちゃんに注ぎ育てたいと思った。
お母さんを連れて帰った方なら何か知っているかと思ったけど、いくら知り合いの病院でも連絡先は教えてはもらえなくてね…
だから、もし、小百合ちゃんに会うことができたら…僕と百合さんの愛した時間を、想いを伝えようって…
僕の想いが詰まったこの指輪を百合さんの代わりに、小百合ちゃんに持っててもらいたいとずっと思ってた。
君のお母さんと一緒になることは出来なかったけど、彼女は僕の心の中にいて、僕の心は永遠に彼女だけのものなんだ」
先生と母の思い出は愛で溢れていて、そんな愛がいっぱい詰まった指輪を私なんかが持ってていいのかな…
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