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「先生、今日はいろいろありがとうございました。母のこと、先生のこと聞けて本当によかったです」
「僕も小百合ちゃんときちんと話できてよかった。これで、また小百合ちゃんと親子に戻れる」
えっ…お…親子!?
「百合さんにも言ったけど、違ってても僕は小百合ちゃんのこと娘と思っているから」
先生…
「あの…九州にはいつ戻られるんですか?」
先生とまた子供の頃のような関係に戻れても、もうすぐ帰ってしまうって思うと…
これは淋しいって気持ちなんだろうか…
課長に対して感じる淋しさとは少し違う気がする…
「本当は小百合ちゃんに話したら戻ろうと思ったんだけど、こっちで手伝って欲しいって医師仲間がいて、戻るの延期して後、約1ヵ月半ぐらいいようかと思ってる」
そうなんだ。なんか、よかった…
「それに、小百合ちゃんとやっと再会できたんだ、もうしばらく話したり、食事したりして、幸せな時間を過ごしたいしね」
先生は私をタクシーで送り、帰って行った。
お風呂に入り、机の上に置いた箱を開け、指輪を手に取る。
あっ…なんか…今なら思い浮かぶかも…
先生と母の想い…
その想いをこの企画に込めよう…
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