~19章~ #2

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入るとすぐ、いつもなら騒がしい子供達が出迎えてくれるけど、今日は学校に行っているようで、家の中はシーンと静まり返っている。 奥からパタパタと音がし、顔を上げて見ると、先生はいつもと変わらない笑顔で出迎えにきてくれた。 「恵先生…」 「小百合ちゃん、お帰り」 課長は私の手を握りしめ、『上がろう』そう言って奥の部屋へ進んでいく。 目の前には恵先生。隣には手を繋いだままの課長。 何て切りだそう… なんか緊張して言葉が出てこない… そんなことを考えていると、 「小百合ちゃんに話す時が来たのね」 恵先生もまた緊張した様子で私を見つめていた。 「恵先生…母は事故ではなく、癌で亡くなったって…本当ですか?」 ずっと、聞きたかった。 恵先生の口から真実を。 「えぇ…あなたのお母様は癌で亡くなられたの」 やっぱりそうだったんだ… .
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