~19章~ #2

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「小百合ちゃんに言ってはいけない理由を教えて欲しい。って言ったら、あなたのお母様は私を真っ直ぐ見つめて、 『あの子には今まで散々、辛い思いさせてきて、今も苦しい思いをしながら頑張って生きてる。 きっと私の病気のことを知ったら、自分のせいで、自分がいたから私は病気になったんじゃないかって…一生、悩み苦しむと思うんです。 あの子には苦しんだ分、幸せになってもらいたい… だからこれ以上、小百合が苦しまない為にも、私が病気で亡くなったとは言わないで下さい。お願いします』 体を動かすのは困難でしょうに、あなたのお母様は必死で頭を下げてて… その姿を見て、私はお母様との約束を守って、小百合ちゃんに隠すことを決意したの」 お母さん… 自分が病気で苦しい思いしてたのに、私のことばかり考えてくれてたんだね… 廣野先生が言ってた通り、最後の最後まで、自分のことより私や先生の幸せを願い、黙っておくことを決断した母の思いを考えると、涙が止まらなかった。 課長からハンカチを渡され、目にあてていると恵先生は口を開き、 「その話には続きがあるの」 「聞かせてもらってもいいですか?」 .
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