~19章~ #2

14/28
548人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「凄く幸せそうな顔して、その人のことを話していたわ。 『あの人に迷惑かけたくなくて、永遠の別れを選んだけど、私の心の中にはあの人しかいない。 あの人も7年の間知らない土地で自分のことを想い続けてくれていた。 それだけで十分。 もう、そばにいることは出来ないけど あの人の素敵な笑顔も、優しいとこも、少し強引なとこも、永遠に私の胸の中で生き続ける。 あの人を想いながらあちらの世界に行けるのだから、こんなに幸せなことはないんです』 満面の笑みで、そう言ってたわ。 あの笑顔、今でも忘れない… 忘れられないの…」 恵先生もまた、涙ぐんでいた。 お母さんも廣野先生と同じ気持ちだったんだね… あぁ…そっか、やっとわかった。 先生が独身だって聞いて、ホッとした理由。 自分でも気づかないうちに、本能でお父さんだって思ってたんだ。 .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!