~19章~ #2

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「気になったんでしょうね。姉さんとこに行って、紹介しろって煩く言ってきたの。 あまりにしつこいから、そんなに会いたいなら私の許可が必要だから、恵みの家に行けと言われて、ほとんど来たことなかったのに、その時だけは来た。 だからって、私は会わせるつもりはなかったんだけどね。 小百合ちゃんのお母様の、一途に人を愛する想い。そんな純粋な人の大切な娘さんを翔に紹介するなんて出来ないし、したくなかった。 実際、小百合ちゃんもお母様と一緒で心が綺麗で優しい子だから、自分が嫌だったとしても翔と話をするだろうと思って、そんな気を使わせたくなかったしね」 そうだったんだ… ここに課長が来ていたことも知らなかったし、先生が私のことそんな風に思ってくれていたんだと初めて知った。 「たまたまその日、小百合ちゃんが子供達に口紅塗って欲しいって頼まれて塗っていたの。 小百合ちゃんのその姿を見つめる翔の目が今までと全然違っていた。 それを証拠に、女性と関係を持つのを全て止め、真面目に仕事をし出したの 。 小百合ちゃんが翔を変えてくれたのよ」 何かしたわけではないけれど、私がきっかけで課長が変わったのなら、とても嬉しいことだと思う。 .
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