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「それにしても…あの新人君、曲者みたいだね。小百合ちゃんのこと、獲物を見るような目付きで見てた。
頭もきれそうな感じだし。
まぁ、でも、翔がそんな奴に負ける訳ないだろうけどね」
曲者って。
えっ、ちょっと待って!?
私、紺野君にそんな目で見られてて、周防さんにはそれがわかったって事!?
へらへらしてるように見えて、短時間でそんなとこまで見てたなんて。
ある意味、周防さんも曲者かも…
「あ~早く撮影日来ないかなぁ。
小百合ちゃんと翔の企画の撮影って色んな意味で楽しませてくれるからね。今回も楽しみで仕方ないよ」
周防さんまで楽しみなんて…
私の身にもなってよ!!
じゃあ、小百合ちゃん待たね~、と手を振りながら、周防さんは帰っていった。
部署に戻って仕事に集中したくても、撮影のことで頭がいっぱいで全然進まない。
チラッと課長のデスクに目を向けるけど、忙しそうにしてて話を聞いてもらえそうにないし。
残業して、話するタイミングを見つけようと思ったけど、これから遅くなるから今日は早く帰るようにって言われてしまい、作戦は失敗。
仕方ない。
今日は諦めよう。
トボトボと会社を出ると、目の前に廣野先生が立っていた。
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