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「けど、翔は理由は話さず、ただ…
『今の俺では駄目だってわかった。
だから、アメリカに行って彼女に相応しい男になる為、頑張ってくる。
その間、小百合ちゃんのこと…よろしくお願いします。
アメリカから帰国したら、俺は彼女のそばから離れない。
彼女もきっと俺のこと、忘れないでいてくれるはずだから…』
そう言って翔はアメリカに行った。
その言葉通り、向こうで休むことなく仕事も勉強も真面目に頑張っていると姉から時々、報告があったの。
金髪だった髪の毛も、元の黒髪に戻っていて、こんなに変わるとは夢にも思わなかった。
そして7年経ち、帰国してすぐ翔に小百合ちゃんを紹介すると言ったんだけど、
『その必要はない。伯母さんには申し訳ないけど、しばらくは赤の他人のふりしてて』
黙って見守ることにしたの」
私の為にアメリカで頑張っていて、私のことを忘れず想い続けてくれていたなんて…
今度は嬉しさで涙が滲む。
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