~19章~ #2

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「話に夢中になってたから、お茶出すの忘れてたわ。ちょっと待ってて」 恵先生が立ち上がった瞬間、 「伯母さん、お茶飲んでる時間はないんだ」 私の方を見つめ、課長は断っている。 あっ、仕事中だってこと? でも…お茶ぐらい飲んでも大丈夫だと思うんだけど… 「小百合ちゃん、会社で時間気にしていたけど… 何か大切な用事があるんじゃない?」 あっ!! 廣野先生の見送りに行かなきゃ!! 「恵先生ごめんなさい。私、行かなきゃいけないとこあるので、これで失礼します。 課長、会社に戻る前に空港に連れていってもらえませんか!?お願いします」 課長はニッコリ笑い、 「じゃあ、行こう」 そう言い、手を繋いだまま玄関に向かう。 「恵先生、また来ます」 「小百合ちゃん、待ってるからね。 子供達もプレゼントより、小百合お姉ちゃんが来てくれるのが何より嬉しいんだから」 コクンと頷き、助手席に乗り込む。 車内では何を話すわけでもなく、手を繋いで課長の温もりを感じながら、車は空港へ向かっていた。 .
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