~19章~ #2

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頭を撫でながら先生はニッコリと微笑み、 「うん、知ってた。百合さんには違うって言われたけど、嘘ついてること気づいてた」 えっ、知ってたの!? 「百合さんが僕以外の男性と会ってるなんてことはなかったし、これでも、医者だからね。 予定日より少し早めに産まれたみたいだけど、間違いなく小百合ちゃんは僕と百合さんの子供だよ」 先生は初めからわかってて、お母さんに嘘ついてると問うこともなく、そばにいてくれたんだ。 「小百合ちゃんを初めて病院で見たとき、百合さんに似てるって言ったけど、違うとこもあるんだ」 「違うとこ…ですか」 「透き通った茶色の瞳に、サラサラの髪の毛、少し長めの手の指に、爪の形。 小百合ちゃんは百合さんにも似てるけど、僕にも似てる。 あの時から僕の娘だって気がついてたんだ」 親なんかいなくても生きていけるって今までずっと思ってた。 でも、目の前に、お父さんがいる。 そのことが、今の私には凄く嬉しい。 .
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