~19章~ #2

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この1ヵ月、先生と色々な所に連れて行ってもらい食事したけど、今日は母と先生の特別な場所に来た。 目の前には、出来立てのオムライスとロールキャベツ。 先生との食事は楽しくて、オムライスとロールキャベツは美味しいはずなのに、今日は違った。 先生にばれないよう、必死に笑顔で食べるけど…苦しい。 カチャッとスプーンを置く音がして、先生の顔を見つめると、悲しい顔をしていた。 「先生?」 「小百合ちゃん、僕…1週間後、九州に戻るんだ」 「…そうなん…ですか…」 先生が東京に来てから、もう1ヵ月半経つんだ… 先生といる時間は安心を与えてもらっていて、父親といるってこういう感じなんだろうな…なんて会う度思ってた。 今の私には、その安らげる場所が支えになっていたのに… 今日は聞きたくなかった。 苦しくて、悲しくて、どうしようもないくらい、胸が痛いのに。 先生が帰ってしまう。 抉れた胸の傷が広がっていくようだった。 .
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