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先生のそばにいると落ち着くし、安心できる。
けど…撮影するのが嫌とか、紺野君と仕事したくないとか、課長の想いがわからなくなってるからって、今までやってきたこと捨てて先生のとこに行っても私は後悔しない?
課長とこのまま離れ離れになる…
そんなの…絶対無理だ。
たとえ苦しくても、私はこの仕事が好きで、課長が必要でボロボロになっても、こんなに愛してやまないんだから。
「先生、私、九州には一緒に行けません」
真っ直ぐ見つめると、先生はにっこり微笑み、
「やっと元の小百合ちゃんに戻ったね」
えっ…元の私?
「先生?」
「今まで辛い悲しい思い沢山してきたと思う。でも、小百合ちゃんはそれを乗り越え今ここにいる。
君にはその力があるんだよ。
今は不安なことがあって苦しいのかもしれない。でも、その苦しみもいつか幸せに変わるから。
でも、本当に辛くてどうしたらいいのかわからなくなったら、いつでも僕の所に来なさい。
小百合ちゃんは1人じゃない。それだけは覚えておいて」
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