511人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「来月でなければいいってことなんだよね?
じゃあ、今年中に結婚しよう。
それ以上は待てないし、待たないから」
何考えてるのかと思ったら…
なんか、やられた気がする。
ほんと、強引だし、言い出したら聞いてくれないんだから。
確か、お父さんも言い出したら聞かないって自分で言ってたよね。
女の子はお父さんに似た人好きになるって聞いたことあるけど、本当みたい。
『遅くなったから帰ろう』と、車でアパートまで送ってもらったんだけど、危ないから玄関まで送ると言われ、玄関前で2人向き合っている状態。
「これから結婚の準備で忙しくなるね。
取り敢えず、明日の撮影を成功させてからの話だけどね」
あっ!!撮影のこと忘れてた!!
「課長!!撮影なんです…んっ…」
課長じゃないでしょ?その言葉と同時に塞がれる唇。
『おやすみ、また明日ね』
それだけ言うと帰ってしまい、結局、撮影のことも紺野くんのことも言えず、不安を残したまま撮影を迎えることになってしまった。
.
最初のコメントを投稿しよう!