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「課長、小百合先輩、何処へ行かれるんですか?」
紺野君が課長の前に立ち塞がっていて、控え室に行けない。
何処に行くって…
私がモデルってわかってるくせに、絶対わざとだ。
怒りと不安からか、小刻みに震える私の手。
前を向いてて、私の様子なんか見えないはずなのに、スッ、と後ろに手が伸び、翔さんが私の手を握る。
それと同時にフッ、と笑い、
「心配しなくても撮影はもう始まる。
大人しくスタジオで待ってたらどうだ?
それとも…後悔するのが怖くなったか?」
一瞬、紺野君の顔が歪んだけど、すぐいつもの爽やかな笑顔に戻り、
「俺は後悔なんかしませんよ」
挑発的な2人の態度に冷や汗が流れてきそう…
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